カットレザーからベルトを自作してみた話|簡単で超たのしい

カットレザーからベルトを自作してみた話|簡単で超たのしい

東急ハンズやレザークラフト専門店などで売っている「ベルト用にカットされたレザー」。DIY好きであれば、「ベルトを自作してみたい!」なんて気持ちになりますよね。かくいう私もそのひとり。一方で、初心者にとってレザークラフトのハードルは高く、気になりつつも躊躇しているというのもよくある話。かつての私もそうでした。

そんな状況を打破すべく、レザークラフト初心者が、カットレザーを使用して、ベルトを自作してみました。実際の作業を踏まえて、必要な道具や費用、作業のコツや難しかったポイントなどをご紹介していきます。ベルトを自作してみたい方やコスパの高いベルトを手に入れたい方はぜひ参考にしてみてください。

作成したベルト

それではさっそく作成したベルトについてご紹介します。

バックルはもともと愛用していたベルト(Yohji Yamamoto)についていたもの。剣先もオリジナルと同じような形に仕上げました。

ボロボロになって使わなくなっていた(けれど捨てられずにいた)ベルトが復活です。こうしてバックルの再利用ができるのですから取っておくものですね。

ちなみに、使用したのは3,000円ほどで購入したイギリス製のブライドルレザー。バックルは再利用なので「かなりリーズナブル」に高品質なベルトが手に入ったことになります。

なお、今回はほとんど加工がされていないカットレザーからベルトを作成したのですが、やや大変な作業でした。作業を簡略化したい方は「ある程度加工済のベルト用レザー」を手に入れることをおすすめします。加工済みのレザーを使ったベルト作成方法については下記ブログを参考にしてみてください。

使用したベルト用カットレザー

まずは今回使用したカットレザーについてご紹介します。言わずもがなでうが、ベルト作成に必須のアイテム。元のベルトと比較した画像が以下です。

幅は元のベルトにあわせ29mm。長さは約120cm。厚みは3.8mmほど。バックル取り付け側は漉き加工(+110円 税込み)をお願いして、約3,000円ほどでした。

購入したお店はレザークラフト材料店 クラムさん。ベルト幅の細かな指定などに対応してくれ、助かりました。

素材の詳細はクレイトン社のブライドルレザー。イギリス製です。放っておくとブルームが浮き出してくるようなタイプ。表面のツヤ感が心をくすぐります。

バックル取り付け部分に関しては漉き加工をお願いしました。ショップによっていろいろな加工をしてくれるので、お願いできる部分はお願いしてしまった方が楽でキレイに仕上がります。また、そろえるべき道具が減ることも加工をお願いするメリットです。

ベルト作成に必要な道具

カットレザーからベルトを作成するのに必須の道具は以下です。

  • カッターナイフ
  • カッターマット
  • 穴あけポンチ
  • 木づち or ゴムハンマー
  • ヘリ落とし
  • コバ処理剤

本格的にレザーをカットするには革包丁とよばれる道具を使うのですが、ベルト作成であればカッターナイフで十分でした。

以下は手縫いでバックルを取り付ける際に必要な道具です。

  • 菱目打ち(4mm 4本刃)
  • レザークラフト用の糸(ビニモ MBP)
  • レザークラフト用の手縫い針(協進エル 丸針)

手縫いをしない場合、カシメで止める方法や、ネジ式のカシメを使う方法、ジャンパーボタンを取り付ける方法などいろいろ。一番楽でコストを抑えられるのはネジ式のカシメを利用する方法だと思います。

カットレザーからベルトを作成する方法

続いてはカットレザーからベルトを作成する手順について解説していきたいと思います。

バックル用の穴をあける

まずはバックルを通すための穴をあけます。以下の写真は現役で使用中のベルト(上)・今回加工中のレザー(中)・元のベルト(下)です。

使用中のベルトや元のベルトを参考に型紙を作成。

新しく購入した革に印を入れていきました。

わざわざ型紙を作った理由はきれいに仕上げるため。レザーの表面に印を入れると消すことができないため、ちょっと慎重に作業しています。

印に従い、ポンチで両端に穴あけ。

穴をカッターでつなげれば完成です。

簡単な作業のはずなのに、手元がくるいちょっと歪んでしまいました…。

それを修正しようと手を入れてさらにゆがむという悪循環。これ以上手を入れても悪化するだけだと思われるため、見てみぬふりをすることにしました。先が思いやられます…。

とりあえずバックルを通してみます。

問題なく動くことを確認しておきましょう。動きに関しては問題なさそう。目立つ部分ではないので、見た目的にも大丈夫そうです。

剣先(先端)をカットする

バックル用の穴が決まると、ベルトの長さが決まります。そこで剣先(先端)をカットします。バックルの位置を基準として、長さを計りましょう。ちょうど良いベルトなどが参考になるはずです。

長さが決まれば、続いて考えるべきは「どんな形にカットするのか」。ベルトの剣先は写真の上のようなとがった形が一般的です。

ですが、もともと付属していたベルトは写真の下のような、角がとれた四角形。ドメスティックブランドらしい形です。

もともとのデザインに敬意を表し、マネをすることにしました。まずは元のベルトをレザーに当てて型をとります。

型にそって、カッターでなるべく角が丸くなるように慎重にカット。

紙やすり(木工用の400番)で凸凹や角を慣らしたら、良い感じになりました。紙やすりをかける感覚としては柔めの木材といったところ。DIY好きであれば、違和感なくヤスリ掛けできそうです。

並べてみても、それほど遜色ないですよね。

なお、失敗してもリカバーが利くように、ちょっと長めの位置で作業してました。つまり、ちょっと長めのベルトが完成するということです。まあ、致し方ありません。

ちなみに、カッターの刃は切れ味の良いオルファのスピードブレードを使用しています。

まあ、普通の刃でも大丈夫とは思いますが、切れ味を求める方にはおすすめです。5枚で250円ほど。カッターの刃としては高価ですが、道具としてはリーズナブルです。

なお、一般的な剣先であれば、レザー屋さんがカットしてくれることも多いもの。それらサービスを利用するのもおすすめです。

ヘリを落とす

続いてはヘリ落としという作業をします。ベルトの断面に丸みを持たせるイメージです。

専用のヘリ落としを使ってスルスルと。

表(銀面)も裏(トコ面)もヘリを落としていますが、表を落とすかどうかはデザイン的な好みによります。もともとついていたベルトに合わせヘリを落とすことにしました。

一方、裏側に関しては、ヘリを落としておくと、着用時に引っ掛かりにくくなります。快適さを高めるための作業です。

なお、ヘリ落としは1,000円ほどで購入できます。

ベルト1本だけを作るのに購入するのは悩ましいですが、数本作業するのなら十分に元は取れるかと思います。また、メルカリ等でもそれなりに売れているようなので、新品で作業した後にリリースするのもアリかと思います。

コバ・裏側の処理をする

続いてはコバ(断面)の処理を行います。余ったレザーで試してみた結果、コバに薄く水をつけて帆布でこする(力は入れず素早くこするイメージ)とピカピカになることがわかりました。その方法でベルト本体も磨きます。以下、半分くらい磨いてみたところ。

元の断面がスエード状なのに対し、先端部分の断面はピカピカになっているのがおわかりいただけるかと思います。全体を同様に磨きます。

水で磨いただけでは強度に問題ありということで、専用のアイテムで表面をコーティング。使うのは「トコノール」という製品で、500円ほどで購入可能です。トコノールは無色のモノを使うのが一般的ですが、今回は黒を使っています。

水で磨いたコバにトコノールを少量つけて、薄くのばします。マニュアルに従い、半がわきの状態で帆布でこすって作業終了です。

穴をあける

続いてはベルト用の穴をあけていきます。気を遣う作業です。ちょうどよい長さのベルトなどを参考に中心となる穴の位置を決めましょう。そこから左右に2つ穴をあけます。穴の間隔は2.5cmが一般的です。

きれいに穴をあけるため型紙を作成しました。

端の2つの穴はズレてしまったので型紙としては使わないことにします。

ベルトに型紙を当て、しかるべき位置にポンチを立てます。

ハンマーでポンチを叩き、穴をあけます。ベルト用レザーは厚みがあるため、けっこう大きな音がします。

無事に穴をあけおえました。

ちなみに、今回使用しているのは協進エルというメーカーの楕円抜き(小)です。楕円がよいか丸穴がよいかはお好みで。丸穴なら15号のハトメ抜きなどが使えるはずです。

なお、楕円をあける場合には、ズレやすい(というかズレると超目立つし気になる)ので型紙を作成しておくことを強くおすすめします。

バックルに取り付ける

続いては最後の作業であるバックルへの取り付けです。今回は手縫いというハードな道を選んだので、けっこう大変でした。

簡単に済ませたい方はリベットなど別の方法をおすすめします。なお、一番簡単なのは「ジャンパーボタン加工済のカットレザーを手に入れる」です。ジャンパーボタン付きのベルトは以下のような感じ。

加工済みのレザーを使ったベルト作成については下記ブログをご覧ください。

バックルへの取り付け|穴あけ

まずは穴あけ。菱目打ちという専用の道具を用います。

今回使ったのはピッチの間隔が4mmのもの。いろいろなサイズのモノが発売されていますが、もともとのステッチが4mm間隔だったので、それに倣いました。

以下は元のベルトとの比較です。

まずは、元の縫い目を参考に、先のとがったもので印を入れます。

印にしたがい菱目打ちをあてがいます。

ズレないようにまっすぐに立てます。慎重にズドンとハンマーを打ち込みましょう。勢いが大事な作業です。

無事に穴があきました。

もう一方のラインにも穴をあけていきます。

菱目打ちはレザーの手縫いをするのには必須のアイテムなので、手作りが好きな方であれば、持っておいて損はないはずです。

バックルへの取り付け|糸の準備

続いては糸の準備。洋服のお直しなどは頻繁に行っているので、洋裁用の針と糸は使い慣れているのですが、レザークラフト用の針と糸は初めての経験です。そもそも縫い方も全然違います。

レザークラフトでは糸の両端に針をつけて、交互に縫っていくのが基本だそう。糸の両側に針をつけて、針が糸から外れないように処理を施します。

糸の準備などは以下の動画を参考にしました。

針は協進エルの丸針です。ポイントはあえて先端がとがっていないこと。縫い糸などに引っかからずスイスイ縫い進められます。100均なで売っている布用の針ですと先端がとがっているためレザーは縫いにくいはずです。

糸は評判のよかったビニモ MBT(5番)という製品を使用。業務用の長いモノしか販売していないようなので、メルカリで測り売りしているモノを購入しました。

バックルへの取り付け|手縫いで縫い付け

いよいよ手縫いスタートです。

幅3cmなのであっという間にゴール。

ビニモ MBTなので、糸の端はライターであぶって始末しました。

麻糸ですと、結んだり、結び目を隠したりと大変なようですが、ビニモ MBTの「ライターであぶればOK」という手軽さはかなりラクチンです。

もう一方の穴も縫っていきます。

縫い終わればベルト完成!楽しい作業でした。さっそく装着して着け心地を確かめます。

いい感じ。ベルトを着けてお出かけするのが楽しみです。

なお、手縫いのやり方に関しては以下の動画を参考にしました。

レザーの手縫いは想像以上に楽しかったので、何か作りたくてウズウズしている今日この頃です。

ベルト手作りは楽しい!

以上、ベルトを手作りした話でした。お気に入りのバックルを使い、元のデザインを参考にしたので、ダメになっていたベルトがほぼ復活。なおかつ、費用も抑えられる一石二鳥です。作業自体もかなり楽しめました。

ここで、今回使用した材料や道具についておさらいしておきたいと思います。

・カットレザー

レザー選びはベルトの雰囲気その他を決める一番大切な部分。アマゾンや楽天では適当なモノが見つからなかったので、レザークラフトショップオリジナルの通販ページをチェックしてみるのがおすすめです。

私が過去利用したことがあるショップは以下。いずれもおすすめです。

LeathCraft.jp:ベルト用のレザーが豊富で、バックル取り付け用の加工もお願いできる

レザークラフト材料店 クラム:ベルト幅の細かな指定が可能

・ヘリ落とし(ベルトの角を落として使いやすくする)

・トコノール(ベルトの断面を処理する)

・楕円抜き(ベルト用の穴あけ)

以下は手縫いでバックルを留めたい人用

・菱目打ち(手縫い用の穴開け)

・レザークラフト用針(協進エル 丸針)

・レザークラフト用糸(ビニモ MBT 5番)

扱いやすい糸でした。基本的にプロ用の長いモノしか売っていないので、ちょっとでよい方はメルカリなどをチェックしてみてください。量り売りをしている人が見つかるはずです。

—–必要な道具はここまで—–

今回の作業にはいろいろな道具を使いましたが、ジャンパーボタンの加工などをお願いすれば、必要な道具や工程はグッとへります。DIY好きであれば、かなり楽しい作業になるはずなので、ぜひ挑戦してみてください。なお、簡単にベルトを作成してみたい方は以下のブログが参考になるはずです。

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