一番簡単な折り伏せ縫いの方法|パンツ(ズボン)で実践

一番簡単な折り伏せ縫いの方法|パンツ(ズボン)で実践

本格的なパンツ(ズボン)作りにチャレンジしていると、折り伏せ縫いで仕上げたくなりますよね。一方で、折り伏せ縫いは手間がかかるため、「気になるけどちょっと無理かも…」なんて尻込みしてしまいがちです。そんな皆様に向けて、手間をかけずに簡単・きれいな折り伏せ縫いのやり方をご紹介します。「パンツを折り伏せ縫いで仕上げたい!」という方はぜひ参考にしてみてください。

折り伏せ縫いで仕上げたパンツ

以下の写真は今回折伏せ縫いで仕上げたパンツです。

股部分をアップにしてみると以下。

手間はかかりますが、ちゃんと作ってる感は折り伏せ縫いならでは。ワンランク上の作品作りに挑戦したい方にはおすすめの縫い方です。

折り伏せ縫いの縫い代を倒す方向ですが、内股部分は「前に倒す」のが、お尻部分は「左足側に倒す」のが一般的なようです。今回もそれにならっています。

パンツを折り伏せ縫いで仕上げる方法

続いては、パンツを折伏せ縫いで仕上げる方法について解説してきます。

縫い始める前の大前提:裁断は丁寧に

縫い方の解説をする前に、「きれいに裁断しておくこと」が大前提です。カットがガタガタですと、そもそもうまくいきません。

裁断はロータリーカッターを使うのがおすすめ。直線もカーブもきれいにカットできるため、折り伏せ縫いの処理しやすさが大幅にアップします。

それほど高いモノではないので、洋裁好きな方であればぜひ手に入れてみてください。

パンツの前後を中表で縫う

まずは普通にパンツの前後の生地を中表で縫います。縫い代は前後ともに同じ幅に取っているので、端をそろえて縫うのみです。

パンツを作ったことがある方にとっては、いつもと同じ縫い方のはずです。

縫い終わると以下のような感じに。

縫った後は縫い目や生地を落ち着かせるため、アイロンをかけておきましょう。

これで下準備は完成です。

表側の縫い代を半分カット

続いては、表側の縫い代を半分にカットします。

ポイントは縫い代の幅をできるだけ一定に保つこと。それだけで次の工程がずいぶんとラクになります。裏側の縫い代の幅は約15mm、カットした表側の縫い代の幅は約7mmです。

裏側の縫い代を手で押さえつつミシン掛け

折伏せ縫いは縫い代を折り曲げてアイロンをかけ、マチ針で止めて…という工程を挟むのが一般的ですが、大変ですし、頑張ったからといって特にきれいに仕上がるということもないため(経験上)、それら工程は省きます。

ということで、縫い代をカットしたらダイレクトにミシン行きです。まずは縫い代の生地を折りたたみ、手で軽く折り目をつけます。そして、縫い代を押さえたまま、ミシンにセットしてください。

ここでのポイントは自分なりの目印をつくることです。

今回の目印は、ステッチがおさえの左から1mm弱ほどの位置にあること。そして、折り目の右端がおさえの隙間の右端に来ていることです。

この目印を意識しキープすれば、ステッチが大きくズレることはありません。

次のポイントが以下の写真の矢印方向に生地を軽く引っ張っておくこと。生地がたるんでいると、折り伏せ縫いがだぶついてしまいます。

なお、生地を引っ張っておくといっても、軽く力がかかっている程度で大丈夫です。あくまでも力を入れているかな、入れていないかな程度。力を入れすぎると縫い目がゆがみます。

上記のポイントをおさえつつ、ゆっくりと縫い進んでください。5cmほど縫い進んだら、進行方向の縫い代の生地を折り曲げます。

折り目を整えて、微調整ののち、指で押さえます。

最初に決めた基準とあっていればOK。手で押さえたまま、ふたたびゆっくりと縫い進みましょう。

あとはこれの繰り返し。まち針を刺す手間などもなく、あっという間にキレイな折り伏せ縫いの完成です。

裏から見るとこんな感じ。

ステッチが大きくズレることもなくいい感じに仕上がっています。

「カーブはどう処理するの?」と疑問に思う方もいるかと思いますが、パンツの内もも程度のカーブであれば、特に気にする必要はありません。縫い代を折り曲げて、指で押さえ、ゆっくり丁寧に縫えば大丈夫。ただし、カーブは生地がたるみやすいので、左右に引っ張る力をほんの少しだけ強くするのがおすすめです。

両足の内側を処理したら、股部分も折り伏せ縫いで仕上げます。中表で縫って、左足側の縫い代を半分くらいカット。

なお、股下の折伏せ縫いが重なる箇所は生地が厚くなるため、心持ち多めにカットしておきました。

縫い代を折り曲げてミシンにセットし

縫い代を指でおさえたまま、そっとミシンを進めます。

折り目がズレないよう、ゆっくり慎重に。

最大の難関、折り伏せ縫いが重なる部分が迫ってきました。

進みにくく、ズレやすいので、目打ちで生地をしっかりとおさえることがポイント。また、針が刺さりにくいため、はずみ車を手で回しながら進みましょう。

難関の股下中央部もクリアし、なんとかゴール。

今回処理した折り伏せ縫いを裏側から見るとこんな感じです。

表側から見るとこんな感じ。しっかりと縫えています。

折り伏せ縫いの処理にかかった時間は30分程度でしょうか。あらかじめアイロンでしっかりと折り目を付けて、マチ針で処理して…となると、この時間では不可能です。

難所はやはり股下中央部分の折伏せ縫いが重なる部分。それを避けたい方は、股下はジグザグ縫い(もしくはロックミシン)を使うのもありだと思います。それだけで難易度が大きく下がります。

最終的にはこんなパンツに仕上がりました。

反対側の端はバイアステープを使い、パイピングで処理。その模様については下記ブログにて紹介しているので、併せて参考にしてみてください。

折り伏せ縫いは案外簡単

以上、パンツの内もも側を折り伏せ縫いで処理してみた話でした。ジグザグ縫いで仕上げるのに比べれば手間も時間もかかりますが、折り伏せ縫いで仕上げたパンツは独特の高級感が生まれるもの。作品作りの幅を広げたい方はぜひチャレンジしてみてください。今回紹介した方法であれば、案外簡単に縫えるはずです。

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