ボロボロだったトートバッグのレザーハンドルを自分で交換|やり方解説

ボロボロだったトートバッグのレザーハンドルを自分で交換|やり方解説

長年使っているとどうしても傷んでくるトートバッグのレザーハンドル。私が愛用していたトートバッグもハンドルのひび割れが進み、街で使うのがちょっと…という状態になってしまいました。とはいえ、お気に入りですし、ぼろぼろのハンドル以外はまだまだ使えそう。修理に出すのも考えたのですが、修理代金は15,000円以上とやや高額。高級なバッグならよいのですが、トートバッグに出す金額ではなさそうです。ということで、肉厚なレザーを購入し、自分で修理してみました。やり方などを紹介しているので、自分でトートバッグのハンドルを交換してみたい方はぜひ参考にしてみてください。

レアーハンドルを交換したトートバッグのビフォーアフター

それではさっそくハンドルを交換したトートバッグ(スタンレー&サンズ)のビフォー・アフターをご紹介していきます。まずはビフォーから。

遠目に見ると特に問題もなさそうですが、ハンドル部分をアップにしたのが以下。

ノートパソコンなどの重い荷物を入れまくったせいか、革がひび割れてボロボロに…。無骨なトートですから、ある程度のダメージは「味」なのですが、度を越すとみっともない感じになってしまいます…。

以下がハンドルを交換したアフター。

少なくともハンドルだけは新品同様に蘇りました。

ハンドル部分をアップにすると以下。

革とリベットがピカピカでちょっと違和感がありますが、バッグ本体とはこれから馴染んでくると思います。

レザーのハンドルを外したタイミングでキャンバス地のバッグ本体をしっかりと洗えたこともポイント。たまっていた汚れが落ち、味が出てなかなかによい感じです。手触りもずいぶんとよくなりました。丁寧に使って汚さないようにしないとな。

道具は家にあったモノを活用したため、かかった費用は4,000円ほどでしょうか。修理に出すよりもかなり安くつきました。1から道具をそろえるともう少し高くなるはずですが、お直しに出すよりは安いはずです。

また、道具はベルトの作成などさまざまな用途に利用できるため、DIY好きな方なら持っておいて損はありません。

レザーハンドルを自分で交換する方法

続いてはトートバッグのレザーハンドルを自分で交換した方法について紹介していきます。工程は多いのですが、ひとつひとつはそれほど難しくないので、気長に・気軽にチャレンジしてみてください。

同様のレザーを手に入れる

何はともあれ大切な作業がハンドルと同様のレザーを手に入れることです。コレが無いと始まりません。

色だけでなく、幅・長さ・厚みをしっかりとチェックして、同じようなレザーを手に入れてください。基本的にはベルト用にカットされたレザーが使いやすいかと思います。

写真は購入した革。

ベルト用にカットされたレザーを利用する予定だったのですが、色味もよくリーズナブルな革を見つけたので、それを利用してみることに。本格的レザーを切り出すのは初めての作業なのでちょっとドキドキしましたが、なんとかうまくいきました。なんでもやってみるものですね。

厚みは3mmほど。元のレザーが4mmほどあるため、若干物足りなく感じていますが、色合いを重視しました。レザーは可能であれば、現物をチェックするのがおすすめ。都内なら浅草橋・蔵前などにレザー専門店が多数あります。東急ハンズなどもレザーの取り扱いがあるはずです。

ネット通販を利用する場合には、厚みもしっかりとチェックしてください。

レザーハンドルを取り外す

続いてはレザーハンドルを取り外す作業です。取り付け方はさまざまなので取り外し方も一概には言えません。

以下のカバンのように、ハンドルが縫い付けてある場合は縫い糸をカットすることにより簡単に取り外せるはずです。

今回ハンドルを交換するトートバッグは頑丈なリベットでとめられてました。なので、クイキリを使い、リベットを破壊して取り外します。

リベットの隙間にクイキリの刃が入り込むように、グイグイと攻め込みます。

真上から見るとこんな感じです。

リベットと布の隙間にミリミリと食い込んでいます。この状態からさらに力を入れると頑丈なリベットもバチンと簡単にカット可能です。

全部を外したのが以下です。

リベットを外す作業では布を傷つけないようにだけは注意してください。この作業で使ったクイキリは以下の製品。

刃先が細くリベットと布の隙間に入り込みやすいのが特徴。洋服のリメイク好きであれば、持っておいて損のないアイテムです。

接着剤がついている可能性がありますが、その場合には強引に引きはがしましょう。

バッグ本体を洗濯

本筋とはそれますが、レザーハンドルを外したタイミングでトートバッグ本体を洗っておくのがおすすめ。レザーハンドル付きですと、強い洗剤などは使えませんが、バッグ本体のキャンバス部分だけなら気軽に洗えます。せっかくなので、オキシクリーンで漂白しておきました。

水がすごくイヤな感じの色に染まっており「…」という気分になったのですが、それだけ汚れが取れたことを喜ぶべきでしょう。

オキシクリーンとはアメリカンな強めの漂白剤。何かと重宝しています。

オキシ漬けのあとは洗濯機にて普通に洗濯(おしゃれ着モード)。こんな乱暴なことができるのもハンドルを外している今だけです。

洗濯後の写真が以下。

謎のシミがたくさんあったのですが、ある程度はきれいに(もちろん落ちないシミもある)。手触りがさっぱりしたこともポイントです。

新しいレザーハンドルの形を整える

取り外したレザーハンドルを参考に新しいレザーハンドルの形を整えていきましょう。取り外したハンドルを参考に型を取っていきます。

その型に沿ってカッターナイフで切り出します。この作業にはよく切れるカッターがおすすめです。直線はフリーハンドでカットしたのですが、けっこううまくいきました。多少のズレはありますが、気にならないレベルです。

カッターの刃はオルファのスピードブレード。切れ味が普通のカッターと全く異なるため、この手の作業が好きな方にはおすすめです。なお、カッターナイフ本体は100均のやつを使っています。

端の丸い形も再現。

元のハンドルはかなり歪んでいたので、デバイダーを使って印を入れました。

カーブはちょっとずつ切り出すのがポイント。

さらにちょっとずつカット。

切り出したのは以下のような感じです。

ガタガタ感が目立つので、紙やすりでならしておきました。

続いてはヘリ落とし。おでんの大根の面取りをするイメージです。

持った時の手触りや見た目がやや良くなることを考えてのことですが、省略しても大きな問題はないはずです。なお、使っている道具は以下。高い道具ではないため、今後もレザークラフトを続けたい方はぜひ手に入れてみてください。

ヘリ落としがあれば、ベルトの自作などにも役立ちます。

新しいレザーハンドルの側面・裏面を処理する

レザーによっては側面(コバ)・裏面(トコ)を処理する必要があります。使うのはトコノールというアイテムです。裏面は処理されていたので、側面だけを処理。

トコノールをコバに薄く伸ばし、帆布の端切れでこすっていきます。

ザラザラだったレザー側面がツルっと仕上がりました。以下、前にあるのが未処理の側面。奥にあるのがトコノールで処理した後です。

トコノールで処理すると、見た目がよくなり、水などに対する強度も出ます。この作業は省略しない方がよいかと思います。トコノールはメルカリ等で少量を量り売りしている方もいるので、ちょっとだけ手に入れたい方はそれらを利用するのもおすすめです。

新しいレザーハンドルを取り付ける

レザーハンドルの準備ができたら、いよいよ取り付け作業です。リベット留めだったため、同様のリベットで処理。リベットは打ち具があれば家庭でも案外簡単に取り付けられます。

まずはポンチを使ってハンドルに穴あけ。

バックの内側に使う補強用のレザーにも穴あけ。

穴をあけた補強用レザーをリベットに通し

リベットをカバンにセット。

専用の工具(リベットセッター、1,500円くらいで購入可能)を使ってワッシャーを打ち付け、不要な部分をカットしたのが以下。

同じく専用の工具(リベットセッター)を使って先端のカットした部分をつぶすと完成です。

ある程度の力はいりますが、リベットセッターさえあれば、それほど難しい作業ではありません。

同じような作業を続けていきます。

リベットの打ち方や必要な道具などは下記ブログで解説しています。

ハンドルが縫われていた場合には手縫いで処理するのがおすすめです。レザーの手縫いは菱目打ち・レザークラフト専用の針・糸があれば案外簡単に縫えます。それぞれのコストも1,000円以下とリーズナブルです。手縫いの仕方は下記ブログが参考になるかもしれません。

なお、私がレザーを手縫いで処理する際には「ビニモ MBT」という糸を使っています。簡単・便利に作業できるのでおすすめ。プロ向けのアイテムなのでものすごく長いモノしか売っていないのですが、メルカリなどではメートル単位で売っている人がチラホラいます。そういったところを利用してみてください。

どんなやり方にせよ、ハンドルをつければ完成です。お疲れ様でした。

トートバッグのレザーハンドルは自分で交換可能

以上、ボロボロになっていたレザーハンドルを自分で交換してみた話でした。ボロボロだったレザーを交換したことで、見た目はかなりの若返り。時間と手間はかかりましたが、挑戦してよかったなと思うところです。これでますます愛着を持って鞄を使用できます。自分でハンドルの交換ができることも分かったので、重いモノをガンガン入れてタフに使っていく予定です。

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