リュックの底に使われていた合成皮革。経年劣化によりひび割れが生じ、見た目的にちょっと…な状態になってしまいました。高価なリュックではないですし、このままお役御免という選択肢も考えましたが、交換すればまだまだ使えそうです。ということで、似たようなレザーで補修してみました。やり方や、ポイントなどについて解説しているので、リュック底面のレザーを自分で交換してみたい方はぜひ参考にしてみてください。
リュック底面のレザー|ビフォーアフター
リュック底面のレザーを交換したビフォー・アフターについて紹介していきます。まずは補修前の全体像。

レザー(というか合皮)が加水分解してしまい全体的にボロボロになっています…。
特に目立つのが底部分。アップにすると以下のような感じです。

以下が補修した後です。

外側から見る限りはよい感じに仕上がりました。レザーを縫うのは初めてだったので、いろいろと苦労もあり内側から見ると微妙だったりするのですが、まあ見えない部分なので気にしないことにします。
また、合皮からレザーに変えたので高級感もアップ。これでまたしばらく活躍してくれそうです。
作業した感想としては、「普段ミシンを使っている方ならなんとかなる」でした。挑戦してみたい方は以下を参考にしてみてください。
リュック底面のレザーを自分で交換するやり方
続いてはリュック底面のレザー交換の具体的な方法について解説していきます。
似たような・縫いやすそうなレザーを手に入れる
まず最初にやっておきたいのがミシンで縫いやすそうなレザーを手に入れることです。

レザーは厚みや硬さなどがさまざま。家庭用のミシンでも簡単に縫えるものもあれば、手縫いじゃないと無理なモノも。そのため、可能であれば、現物を見て買うのをおすすめです。実際に触ってみて「柔らかいな」と感じるレザーなら大丈夫だと思います。
今回のリュックはありがちなカラー(ベージュ)だったので、東急ハンズで簡単に見つけられました。税込み2,640円とリーズナブルなお値段も魅力です。
ネット通販を利用する場合、あまり厚くない革を選んでみてください。ミシンで縫えるかなどを質問するのもおすすめです。
既存のレザーを取り外す
しかるべきレザーが手に入ったら、既存のレザーを取り外しましょう。縫い目をほどけば案外簡単に取り外せるはずです。
今回は縫い目がパイピングに覆われていたので、まずはパイピングを取り外します。

続いては底のレザーとリュックサイドの縫い目をほどいていきます。これにて底が外せました。

底の合成皮革とキャンパス地が縫い合わせてあったため、そこもほどきます。キャンパス地は再利用です。
場合によってはレザーが接着されているかもしれませんが、そういった場合には「どうせ新しいレザーを貼り付けるから」と強引にはがすしかありません。
取り外したレザーを参考に切り出す
続いては取り外した底を新しいレザーに乗せ、型をとります。そしてカッターで切り出しましょう。本職の方なら革包丁などを使うのでしょうが、わざわざ手に入れるのも大変ですし、この程度ならカッターで十分です。

コーナーの丸みは糸巻きを当てて再現しました。

一般的な洋裁同様に、キレイにカットするのはキレイに縫うことの第一歩。できるだけキレイに切れるよう頑張ってください。
なお、私は切れ味に定評のある「オルファ スピードブレード(大)」を使用しています。通常のカッター刃とは切れ味がまったく異なるため、この手の作業が好きな方であれば、持っておいて損はないはずです。
ミシンで縫いつける
続いてはミシンで縫い付け。ちょっと大変ではありますが、まあ頑張るしかありません。
レザー用のミシン針を手に入れる
ミシンで縫う際のポイントのひとつがレザークラフト専用のミシン針を使うこと。ちょっとしたことですが、仕上がりにけっこう差が出るものです。

レザー用ミシン針の特徴は先端の鋭さ。レザーにサクサクと刺さります。今回、針の太さは14番を使用しました。
家庭用ミシン・職業用ミシンそれぞれでレザー用の針が売られているので、それを使います。
■家庭用ミシンのレザー用針
■職業用ミシンのレザー用針
上記でご紹介している家庭用の「LL」や職業用の「F2」ミシン針は以下の写真のように針穴が斜めになることが特徴。いかにもレザークラフトな縫い目になります。

ちなみに裏から見ると、以下のよう。

割とまっすぐな縫い目です。裏・表ともに斜めなステッチで仕上げたい方は手縫いで頑張ってください。
なお、縫い目を直線的にしたい方は家庭用では「S」、職業用では「F17」と書かれている製品を選べばOKです。
なお、今回使った針の太さは14番。選んだ理由は「30番の太めの糸を使いたかったこと」と「針穴はできるだけ小さくしたかったこと」です。より太い糸を使いたい方は16番の針がよいでしょうし、より細い糸で繊細に仕上げたい方はより細い針がよいはずです。
中心に印を入れる
縫い付ける前に、切り出したレザーとリュックに印を入れておきます。印を入れるのはレザーの長方形の長編中部分と、それに対応するバッグ側。それらを合わせてから縫えば、大きくずれることはありません。丸で囲った部分に印が入っているのがわかるでしょうか。

どうせ隠れる部分ですから、手元にあった鉛筆で印を入れてます。
あとは慎重に縫い進むのみ
印を合わせて、まずは1針。ミシンでちゃんと縫えるかを確認するため、はずみ車を手で動かしながら、慎重に進めていきます。

ミシンで縫えることを確認すれば、あとはダダーっと。カーブの部分は生地が逃げやすいのでしっかりと生地を押さえながら一針ずつ慎重に進めてください。

リュックのハンドルがついているところなど、生地がぶ厚いところはさすがに無理そうなので(試していない)、はずみ車を手で回しての対応です。
私が利用しているのは職業用ミシンですが、家庭用ミシンでもデニムなどが縫えるものであれば縫えると思います。
パイピングを縫い付ける
もともとの縫い目はパイピングで覆われていたので、最後にそれを再現。ホツレ防止が主な目的だと思われるので、かなり適当に縫いました。

まあ、内側ですから多少の手抜きもアリでしょう。このように、縫い目をパイピングで覆えば完成です。
リュック底面のレザーは自分で交換可能
以上、リュック底面のレザー(合皮)を自分で交換してみた話でした。補修後の全体像は以下です。

見た目が随分よくなりました。いずれにしても、シンプルな形のリュックの底は、自分で補修できます。捨てるのは忍びないが、使うのもちょっと…なんてリュックをお持ちの方はぜひチャレンジしてみてください。
修理の続きは下記ブログにてご紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

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