普段何気なく履いているチノパン。ふと見るとポケットの上部に破れが…。目立たない部分ではありますが、放置すると破れは広がってしまうでしょう。気軽に着用するためには早めの処理が必要です。一方で、ポケット周辺は生地が入り組んでおり、なおかつポケットの生地があるため本格的なお直しをするのは大変です。ということで、必要最小限の作業に抑え、簡易的にお直しすることに。そんな補修のビフォーアフターややり方についてご紹介します。
裂けを補修したチノパン|ビフォーアフター
裂けを補修したチノパンのビフォーがこちら。ポケットの上部の生地が裂けてしまいました。
やっかいなのが、ポケットの上で非常に縫いづらいこと。ポケットの内側の布があるため、裏側から直接アクセスできません。また、生地が重なり合っている部分のため、本格的にお直しするためにはポケットやウエストなどをほどく必要があります。お気に入りのパンツとはいえ、そこまでの手間はかけたくない…。また、既存の縫い目をほどくことはリスクも伴います。
手縫いで丁寧に仕上げる方法もありますが、ガシガシ履くチノパンであることを考えると強度的に不安です。
ということで、ミシンを使いちょっと強引にお直しをしたのが以下。
裏側から接着芯を当て、できるだけ目立たないようステッチを入れて補強しています。ちょっとステッチが見えていますが、そこは目をつぶることに。人のチノパンのポケット上部なんて誰も注目しないでしょう。
斜めから見ると以下のような感じ。
完璧なお直しとは言えませんが、作業の手軽さと気軽に着用できることを考えるとアリかなと思っています。ちなみにかかった作業は30分ほど。費用はほとんどかかっていません。
下記ブログではチノパン裾の擦れの補修方法について紹介してます。あわせて参考にしてみてください。
チノパンの裂けの補修方法
裏側から接着芯を当てる
まずは裏側から接着芯を当て生地を補強します。裂けた部分のサイズを測り
ちょうどよい大きさに接着芯をカット。
ピンセットなどを利用して接着芯を穴の隙間から差込みしっかりと広げます。
接着芯には裏表があるため注意。この場合はザラザラした接着面が上にくるようにします。
正しくセットしたら、あとはアイロンでギュッと圧着。アイロンの温度は中程度です。表側からだけだと、生地が厚い部分に熱が伝わりにくいため、裏側からも圧着しておきました。
補強のためのステッチを入れる
接着芯がしっかりと冷えたら次は補強のためのステッチを入れる作業です。破れのすぐ横であるポケットの際を縫っていきます。
強引ではありますが、ポケットの生地ごと縫っています。
続いては方向転換して、ポケットの内側に針を進めました。
このあたりのステッチはポケットに隠れて見えなくなります。
さらに方向転換してステッチで補強。
ポケットに隠れて見えなくなる部分はステッチを多めに入れておきました。
とりあえずこれだけでも強くなったのですが、ちょっと心もとなく感じ、さらに補強することに。ということで、ポケット上部を縫い付けてあった糸をほどきます。
ステッチを抜くと以下のような感じに。
あとは、ステッチの跡に沿って、ミシンで縫うのみ。ココでのポイントは元の針穴にちょうど針が来るように縫うこと。それだけで仕上がりが随分きれいになります。
縫い終わったのが以下。
糸の色が微妙に違うのは、家にあった糸を使ったから。作業のたびに糸を購入しているとキリがないので。とりあえずのお直しとしては十分でしょう。完璧を求める方は同じ色の糸を購入することをおすすめします。
チノパンポケット上部の破れは自分でお直し
以上、チノパンのポケットの上部の裂けを自分でお直しした話でした。生地が重なり合っている上に、ポケットがあるため作業はしにくいのですが、多少強引に進めれば簡単にお直しできます。気軽に履きたいチノパンの修理であれば十分です。それほど難しい作業はないため、同じような状態でお困りの方はぜひチャレンジしてみてください。