ヴィンテージのジーンズやカバーオールなどに使われるドーナツボタン。洋服を修理する際に「いったん外して付けなおしたい!」なんて考えること、ありますよね。そんな皆様に向け、再利用可能なドーナツボタンの外し方・つけ方について紹介します。必要な工具などについても解説しているので、ドーナツボタンを外したい・付けたい方はぜひチェックしてみてください。取れたドーナツボタンを修理したいなんて方にも参考になるはずです。
ドーナツボタンの外し方
それでは早速、ドーナツボタンの外し方について解説してきます。
ドーナツボタンの構造
以下が今回取り外したドーナツボタンです。穴の中を見てみると、何やらクルンと丸まった金具が見えます。
この金具の構造を理解することがドーナツボタンをうまく外すポイントです。ドーナツボタンの断面図を模式的に描くと以下のようになっています。
これを外すためには、金具についている針状の部分をカットすればOKです。パターンは2種類。1つめは生地の裏側でカットする方法です。
この方法のメリットは、うまくカットできれば、ボタン部分を再利用できること。洋服の修理をしたい場合など、ボタンが新品に代わると違和感が出ますが、もともとついていたボタンを利用できれば、しっかりとなじみます。
デメリットは生地を傷つける可能性があることです。
もう1つのパターンは以下のようなモノ。
ドーナツボタンの穴からドリルなどを使って金具の先端を破壊します。このやり方は生地を傷つけにくいことが魅力。一方で、ボタンにも傷がつく可能性があり、再利用には不向きです。
ボタンを大切にしたいか、生地側を大切にしたいかによって、選ぶべき方法は異なります。今回のケースではボタンを再利用したかったので、先に紹介した方法を選択しました。以下はその詳しいやり方について解説しています。
ドーナツボタンを外すのにおすすめの工具
先ほど紹介したように、ドーナツボタンを取り外すには、足をカットすればよいのですが、そこでおすすめの工具が「クイキリ」です。
あまり聞き慣れない工具名だと思いますが、ニッパーのすごい版といったモノ。
クギの頭のカットなどにも用いられるため、切る力が強いことが特徴。頑丈なジーンズのリベットなども難なく外せます。
洋服のリペアが好きな方であれば持っておいて損はありません。特に上記のクイキリは刃の角度が鋭く、金具と布の間に入り込みやすいことがポイントです。
なお、クイキリを使ってジーンズのリベットを外す模様は下記ブログにて紹介しています。
クイキリを使ってドーナツボタンを取り外す
いよいよ具体的にドーナツボタンの外し方について解説していきます。ボタンの裏側の金具と洋服との境界にクイキリを咬ませます。
当然ですが、洋服に傷をつけないように慎重に作業を進めてください。
さらにグッとかみついたところ。
もうちょっと力を入れれば切れそうです。この状態でボタン側を見たのが以下。
ボタンと生地の間にすき間ができており、もう少しで外れそうです。
生地を傷つけないよう慎重に、ゆっくりと力を加えて…。うまく切れました。
幸いに洋服とボタンは無傷。うまく再利用できそうです。
ドーナツボタンの付け方
続いてはドーナツボタンの付け方について紹介していきます。今回は取り外したボタンを再利用していますが、新品のボタンでも付け方は同じです。
ドーナツボタンを付けるのに必要な工具
ドーナツボタンの取り付けには以下のような専用の工具が必要です。
専用工具といっても特別高いモノではなく、1,000円ほどで購入できます。洋服のリメイク好きなら、持っておいて損はありません。Amazonなどで簡単に手に入ります。
上記の打ち具には金属の板が付属しますが、この手の作業が好きな方であれば、金床を購入するのもおすすめです。
安定感がグッと増し、失敗の可能性を減らせます。リベットを打つ際など、何かと活躍してくれるアイテムです。
ドーナツボタンの取り付け
必要な道具がそろったら、いよいよドーナツボタンの取り付けです。ドーナツボタンはボタン本体と、金具とで構成されています。
作業の大まかな流れは、「針状の金具を生地に刺し」、「ボタンを取り付け」、「工具で打ち付ける」です。
ドーナツボタン本体はAmazonなどで簡単に手に入ります。
ドーナツボタンを取り付ける際のポイントはボタンの「向き」を意識すること。ドーナツボタンは回転しないため、月桂樹の模様が下を向いてる…、UNIONの文字が逆さまになっている…といった場合、気にせず使い続けるか(気になりだすとすごく気になる)、取り外して付けなおすしかありません。
ということで、ボタンを置いて向きを確かめます。
ボタンの穴の位置にあうように針状の金具をセット。
ボタンを置いてみて違和感がないか、再度しっかりと確認します。場所がOKであれば、いよいよ打ち付け。
金床に乗せ、工具をセットし、大きめのハンマーでゆっくりと打ち付けます。
まずは軽くトントンと。針の先端が曲がったら、しっかりと強く打ち付けてボタンを固定してくたさい。
カバーオールの袖口についていたボタンですが、両方無事に付け終えました。
なかなかによい感じ。ドーナツボタンを取り外して付けなおしたことで、袖口がビリビリになっていたカバーオールもお直しできました。
カバーオールのお直しの模様は下記ブログにて紹介しています。気になった方はチェックしてみてください。
ドーナツボタンは自分で簡単に取外し・取り付けが可能
以上、ドーナツボタンを取り外し、再利用してみた話でした。工具さえあれば、それほど難しい作業ではありません。また、専用工具もそれほど高いモノではないため、気軽に挑戦できます。気になった方はぜひチャレンジしてみてください。