ついつい財布やスマートフォンを入れてしまうジーンズのバックポケット。いつのまにか穴が…なんてことありますよね。それでも使い続け穴は大きくなり…。そんなジーンズバックポケットにあいた大きな穴自然な形で補修してみました。修理のやり方やコツなどについて解説しているので、ジーンズバックポケットの穴を自分で補修したい方は参考にしてみてください。
補修したバックポケットの穴|ビフォーアフター
まずは穴を補修したバックポケットのビフォー・アフターをご紹介します。以下が補修前です。
ついついモノを入れてしまう右側バックポケットに穴があいてしまいました。ポケットには何も入れない方がスマートなのはわかっていつつ、ついついスマホなどを入れてしまいます。それがダメージとなり、穴となり…。やがて穴が広がって、ここまで来たというところ。
ポケットに穴があいているのも問題ですが、さらに問題なのが、穴がポケットの入り口近くまで迫っていること。このまま履き続けるとポケットの口が破れてしまいそうです。また、ポケット上部のステッチもほとんど残っていません。
以下が補修後のバックポケット。
あんまり変わっていないじゃんと思われるかもしれませんが、裏側からデニムを当てて補強しています。
穴周辺の糸はあえて残して、自然な感じに仕上げました。裏から当てたのは色落ちのよさそうなデニム生地なので、今後の変化も楽しみです。ポケットの口が破れることは当分ないはずなので、気軽に着用できそうです。
我が家のミシンでは閂止め(補修前にあるポケットコーナーの×印)ができないため、とりあえずなしのまま。そのうち手縫いで仕上げようかなと考え中です。
なお、穴が小さい場合には、ミシンで叩いて簡単に目立たなくお直しできます。やり方は以下ブログを参考にしてみてください。
基本的に穴が大きくなればなるほど補修は大変になるので、ジーンズを長く愛用したい方は早めの対策をおすすめします。ボロボロのジーンズをパッチワーク的に直すのも楽しくはありますが。
ちなみにお直ししたジーンズはLeeの400番という70年代頃のジーンズ。
膝から下がドストレートで、ブーツカットに見えるほど。最近こんなシルエットのパンツもよいかなぁなんてことを思っています。
前から見るとこんな感じ。
購入したのは2008年ころだったのかな。確か渋谷の古着屋さんでリジッドで購入(確か1万円はしなかったはず)し、3年ほど着用。色落ちした姿です。ここ10年ほどは実家にしまい込んでいたのですが、今回の補修を機にまた履きたいなと思っています。
ジーンズバックポケットの穴の補修方法
続いては、自分でジーンズのバックポケットを補修したい方に向けて、補修方法を解説していきます。
補修方法を検討する
ジーンズにあいた大きな穴を補修する場合、やり方は大きく分けて2つです。ひとつは表側から生地を当て、パッチワーク的にお直しする方法。
表側から生地を当てるメリットは、穴が完全に隠れること、ジーンズの穴周辺は横糸や縦糸がポワポワと出るため、グランジな感じが出てしまいます。それはそれでよいのですが、下手をすると汚い感じになってしまうもの。穴を隠してしまえば、そしてお直しようによっては上品に仕上がります。
デメリットとしては、おしゃれな感じにするのが難しいこと。お直し感が出やすいため、失敗すると貧相な感じになってしまいます。
もうひとつのやり方は裏側から生地を当てること。
穴の奥から生地がのぞきます。裏から生地を当てるメリットはリメイク感が出やすいこと。お直ししたというよりも、アレンジしたという雰囲気になりやすいため、貧相な感じは避けられます。
上記のようにバンダナでアレンジしてもよいですし、ヒョウ柄なども遊び心があって楽しいはずです。あるいは、アフリカンな布を当てるのもよいかと思います。
デメリットはグランジな感じになりやすいこと。若い人なら良いのですが、オジサンになってグランジ感を出すと、90年代から抜け出せていない人みたいになってしまいます。
いろいろと悩んだあげく、ナチュラルに仕上がるよう、裏からデニムを当てることにしました。
このパンツは「今っぽくないかな…」という理由でここしばらく着用していなかったのですが、ファッションは繰り返すことを考えると、そのうちまた履きたくなるはず。その時の年齢を考えて、コーディネートしやすそうな方法を選択しました。
作業しやすいようにポケットを取り外す
まずは作業しやすいようにポケットを取り外します。
穴を補修する作業のしやすさだけを考えれば、完全に取り外した方がベターです。一方で完全に取り外してしまうと、ポケットを付ける難易度がかなり上がります。
今回はポケット上部の穴だったので、上半分だけほどくことにしました。
ポケットの口部分の糸がボロボロになってますね。この部分もついでに補修することにして、糸をほどいたのが以下。
「Lee」と書かれたタグもいったん取り外します。同じように補修をする方は無くさないように注意してください。
ポケット裏側からアイロンをかける
ポケットを外したら、まずはアイロンをかけます。生地を落ち着かせ、縫いやすくするためです。
注意点は裏側からかけること。デニムの表側からアイロンをかけるとツルツルテカテカになることがあります。
当て布を縫い付ける
いよいよ穴をふさぐ作業。当て布を縫い付けていきます。今回はポケット上部に穴があいていたため、ポケット上部の折り返し部分に布を挟み込む形で固定しました。
縫い終わったものが以下。
ボロボロだったステッチも元気に復活です。
元のステッチが黄色だったので、できるだけ近い黄色で仕上げました。完璧に同じ色ではありませんが、気にしないことにします。きっとそのうち馴染むでしょう。Leeのタグも忘れずに縫い付けました。
ちなみに使った糸は以下。20番手というかなり太い糸です。
私は職業用ミシンを使っているので、20番手の太い糸も使えるのですが、一般的な家庭用ミシンでは対応していなモノが多いはず。その場合、30番手(ミシン糸としてはかなり太目)を利用してください。ちなみに、29という数字は色を表しています。
続いてはポケット一番上のステッチを再現。元の縫い目の跡にそってステッチを入れていきます。
とりあえず、ポケットの口が破れそうな問題はこれにてクリアです。
続いては当て布を固定するためのステッチを入れていきます。目立つ糸で大胆に縫うのもありですが(90年代に青春を送った人にはネメスのパンツ的といえば伝わるでしょうか)、今回はできるだけ目立たないように。
グレーの細い糸を使い、縦糸に沿う形でステッチを入れていきました。
よく見ると穴の下にグレーの縫い糸が見えますが、遠目にはわからないはずです。
使った糸は以下です。
グレーの細い糸(60番手)で、ジーンズの穴を補修するのにピッタリです。
破れた部分を完全に固定したワケではないため、今後も多少破れるはずですが、ステッチがあるため大きく破れることはないはずです。
当て布を縫い付ける作業はこれにて終了。次のステップへと進みます。
ポケットを縫い付けてもとに戻す
続いての工程は、「外したポケットをもとに戻す」です。ポケットの縫い糸はオレンジがかった茶色い糸だったため、同じような色の糸を使います。
使った糸は以下です。
かなり太めの20番手。先ほども書きましたが、家庭用ミシンでは20番手は使えない可能性があるため、続いて太い30番手がおすすめです。
ミシンで縫い付けているところです。
ポイントは「ほどいていない側(今回だとポケットの下部)から縫う」です。そうすることで、ポケットが大きくずれることなく、キレイに仕上がります。
ほどいた部分をすべて縫って完成です。
ステッチの色など、微妙に異なっていますが、まあ誰も気にしないでしょう。
ジーンズの補修をしたい方は、ステッチ用としてオレンジ色っぽい茶色の糸・黄色の糸を持っておくと何かと便利です。目立たないようステッチを入れる糸は薄めのグレーがおすすめです。
ジーンズのポケットにあいた穴は自分で補修可能
以上、ジーンズのポケットにあいた穴を自分で補修してみた話でした。穴を気にして履きにくかったジーンズも気軽に履けるようになり大満足。しばらくしまい込んでいましたが、再び愛用する予定です。
ジーンズを簡易的に自作した模様は下記にてご紹介しています。あわせてチェックしてみてください。