ブーンというノイズが気になるFender Champion 600をお直しに出した話|原因や修理代を紹介

ブーンというノイズが気になるFender Champion 600をお直しに出した話|原因や修理代を紹介

愛用の小型真空管ギターアンプ「フェンダー チャンピオン 600(リイシュー版)」から、ある日突然に「ブーン」というノイズが出るようになってしまいました。電源を入れて、真空管があったまったタイミングからブーン。シールドを挿しても挿さなくてもブーン。ボリュームを下げても上げても一定の音量でブーン。これでは気になってギターを楽しめません。症状や年代的におそらく電解コンデンサーに原因がありそうですが、素人判断は危険。プロの手を借り、元気な状態になって戻ってきました。そんなFender Champion 600のノイズの原因や修理にかかった費用について紹介します。

Fender Champion 600からブーンというノイズが…

まずはノイズの状況について記載しておきます。フェンダー チャンピオン 600の電源を入れた直後は無音ですが、しばらくして真空管があたたまるとブーンと鳴りだします。ボリュームをゼロにしても、フルにしてもノイズは一定。ギターをつないでも、つないでいなくても一定の音でブーンと鳴り続けます。

ギターを弾くと、ブーンの音にプラスしてギターの音が鳴るので、アンプとして使えないワケではありません。ですが、ブーンと鳴り続けられると、どうしても気分はのらないもの。自宅で楽しむ道具としてはイマイチです。

ブーンとなり続けるFender Champion 600|コンデンサーに異変が…

Fender Champion 600リイシュー版は小型の真空管アンプです。購入したのは2010年頃だったはずなので、すでに10年以上が経過しています。

今回のケースでは「ブーン」という音が鳴り続けているので、音に大きく影響するパワー管かコンデンサーに問題がありそうです。一方で、パワー管は1年ほど前に交換したばかり。見た目的にも問題はなさそうです。

真空管を自分で交換した話はコチラ。

となれば、「コンデンサーに原因がありそうだ」とあたりを付けて中を覗いてみたところ、やはりといいますか、違和感のあるコンデンサーが見つかりました。

下記印をつけたコンデンサーがなんかちょっと膨らんでる…?

わかりやすいよう、違う角度から見た写真をもう1枚。

真ん中のコンデンサだけ迫力があるというか、成長しているというか…。

ギターアンプなどに使われることの多い電解コンデンサーは長期間使用していると「容量抜け」という現象を起こすことがあります。このコンデンサーもおそらく寿命を迎えたのでしょう。

膨らんだコンデンサーを取り換えればとりあえず問題は解決しそうな気がしますが、同じコンデンサーが4箇所使われていますし、10年以上使っているアンプですから、そのほかのパーツにも問題が隠れていそうです。そこまでのチェックはできないですし、今後も愛用するためにプロの手を借りることにしました。

なお、アンプを分解すると感電する危険があります。中をのぞく場合には「分解前にコンセントを抜く」「コンセントを抜いたあとしばらく放置する」「下手に触らない」など十分に気をつけて行ってください。また、くれぐれも自己責任でお願いします。

ノイズが発生しているFender Champion 600の修理代

修理に出してから2週間。無事に直って帰ってきました。電源をオンにしても気になるノイズは発生しません(多少のハムノイズが乗るのはこのアンプの仕様です)。

やはり該当のコンデンサーの容量が抜けていたようで、交換されています。また、今後のことも考えてそのほかのコンデンサーも併せて交換となりました。

以下が取り外されたコンデンサーなど。

インプットのジャックも酸化していたということでついでに交換。こういった部分の問題をチェックしてもらえるのはプロならではです。また、電圧が高すぎる箇所があったようで(これも微妙にノイズの原因だった模様)、抵抗を追加してもらいました。

上記の作業でかかった費用はパーツ代と作業の工賃を合わせて20,000円ほど。アンプの定価が20,000円ちょっとくらいだったことを考えますと、決して安くはありません。とは言え、愛用しているモノを使い続けるためにはコストがかかるのはしかたのないこと。これでまた10年くらい楽しめることを考えるとリーズナブルと言えるはずです。

Fender Champion 600のノイズが気になったら

以上、ノイズが気になるFender Champion 600をお直しに出した話でした。

発売からそれなりの時間が経過したFender Champion 600のリイシュー版。あるいは同時代に発売されていた時代に発売されていたGRETSCH G5222やGIBSON GA-5など、電解コンデンサーにガタが出ているモノも多いはず。ノイズなどが気になった方は一度プロの手を借りてチェックしてもらうのもよいかもしれません。

なお、アンプを修理に出す場合、相みつをとるのは重要です。今回、某有名楽器店の修理部門に問い合わせてみたところ、「ざっくり6万円くらいですね。アンプを買いなおした方がよいですよ」なんて回答もあったりしたので。

なお、今回に限って言えば、コンデンサーを自分で交換でもノイズを抑えることができたはずです。ハンダごての扱いに慣れている方であれば、挑戦してみる価値はあるかもしれません。その場合、コンデンサの数百円の出費で済みます。

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