洋裁好き・アメカジ好きにとって、一度は挑戦したいことのひとつが本格的なジーンズの自作ではないでしょうか。本ブログではオリジナルのジーンズ作りに挑戦したい皆様に向け、ジーンズ手作りのやり方やポイントについて順を追って紹介していきます。まずは型紙の作り方です。
完成したジーンズ
完成したジーンズがコチラ。

我ながらいい感じにできたなと自画自賛。
ということで、ジーンズの作り方について、10回に渡り解説していきたいと思います。
- パターン・型紙を作る(本ブログ)
- 生地の裁断
- キレイに縫うためのポイント
- 前ポケットの作り方
- ボタンフライの作り方
- 後ろ身頃の作り方
- 前身頃・後身頃の合体
- ウェスト・ベルトループ取り付け
- 裾上げ
- ボタン・リベットの取り付け
順を追って作成していけば、オリジナルのジーンズが完成します。
ぜひ挑戦してみてください。
ジーンズ作りに必要な型紙は11パーツ
一般的な5ポケットのジーンズですと、必要な型紙は以下の11種類です。
- 前身頃
- 後見頃
- ヨーク
- 袋布
- 向こう布
- コインポケット
- 持ち出し
- 見返し
- バックポケット
- ベルト(型紙の省略可)
- ベルトループ(型紙の省略可)
パーツ名ではわかりにくいと思うので、それぞれ写真で見てゆきましょう。ジーンズのメインとなるのが前身頃・後身頃。ヨークは後身頃の上部についているパーツです。

袋布・向こう布は前ポケットを構成するパーツ。一般的にベージュがかった布(スレキ)で作られているのが「袋布」で、ポケット内のデニム生地で作られているのが「向こう布」です。左側の向こう布にはコインポケットがつきます。

持ち出し・見返しはフライフロントに使われるパーツです。ボタンフライであればボタンが付いている側が「持ち出し」、ボタンホールが付いている側が「見返し」です。

バックポケット・ベルト・ベルトループは言わずもがなでしょうか。画像は省略します。
これらパーツの型紙をいかに用意するかがジーンズ自作のカギを握っています。ということで、私が実践した型紙の作り方について解説していきたいと思います。
ステップ1:お気に入りのジーンズから型を取る
せっかくジーンズを作るのであればシルエットにはこだわりたいところ。一方で、自分好みのシルエットの型紙を自分で簡単に作れるほど型紙作りは簡単なモノではありません。そこで、ちょっとズルい感じもしますが、お気に入りのジーンズを参考に型紙を作っていきます。
まずは、新聞紙などをつなげ大きな紙を作り、お気に入りのジーンズを乗せましょう。シワやたるみが出ないよう、生地をピンと伸ばすのがポイントです。

あとはシルエットを写し取っていきます。できるだけ縫い目に沿って写すのがポイントです。とはいえ、下の写真のように生地の重なりなどで縫い目にそえないこともあるもの。

そういった場合は縫い目を基準として線を補正してください。

とりあえず、ヨークやベルトループ部分もそのまま写し取ります。直線部分などは定規なども利用してください。

ぐるっと1周できたらハサミなどで切り抜いてください。

コレにてかなりざっくりとですが、型紙的なモノができあがりです。とはいえ、このままでは歪みなどがあるため、細かく補正していきます。
ステップ2:模造紙を使って清書
続いてはざっくりとった型紙の原型をキレイに整えてゆく作業。100均などで売っている「縦横に線が入った模造紙」があると便利です。
新聞紙で作った型紙を模造紙に重ねます。ここから、基本的には新聞紙を模造紙へと写していく作業なのですが、微妙な修正も加えていきます。
まず、前身頃と後ろ見頃の股の尖った部分が同じ高さに来るように調整します。

続いては出っ張り部分を結ぶように直線を引きます。

続いては、横線と90度で交わる縦線を引きましょう。

この縦線が基準となる線です。股の下や両脇など縦のラインは基準と並行になるように線を引き直してください。
イメージ的には以下のような感じ。新聞で作った型紙を想像してください。

縦と横の線を引きます。

縦の線を基準に裾の直線を修正します。

これである程度まともな型紙になります。
実際の型紙を修正したのが以下です。

新聞紙の型紙ではヨレヨレと頼りなかった線がまっすぐになり、シャキッとしました。
ここで1点注意事項です。もし、防縮加工されていない生機(きばた)デニムを使ってジーンズを作ろうと考えているのであれば、縮みを見越して型紙を大きくしておく必要があります。
このタイミングで前身頃・後身頃共に幅を1〜1.5cmほど追加。長さは5cmほど追加しておきましょう(裁断のタイミングで大きくカットするのもあり)。その他のパーツに関しては、特にいじる必要はありません。
ステップ3:ベルトループ・ポケット・ヨークなどをカット
現時点での型紙にはベルトループなどが含まれているため、それらを修正していきます。
ベースとなったジーンズを参考にベルトループ・ポケット・ヨークを書き込んだのが以下。

ベルトループ部分・ヨーク・ポケットはカットしてください。

これにて前身頃・後身頃・ヨークの型紙ができました。
ステップ4:前ポケット関連の型紙作り
次は、前ポケット関連の型紙を作っていきましょう。
前身頃の型紙を参考に袋布の型紙を作る
まずは袋布の型紙を作ります。折り曲げた紙を以下の写真のように前身頃にあて、直線を写し取ります。

続いては、ポケットの内側らしい形になるよう、適当に曲線を書き加えます。

見えない部分ですし、着心地にもほとんど影響を与えないため、ざっくりと線を引いて問題ありません。
前ポケット部分をカットする必要があるため、以下の写真のようにして線を写し取ります。

あとは線に沿って切り抜くだけ。折り曲げた部分を広げると、以下のような形になるはずです。

コレにて袋布の型紙が完成しました。
袋布の型紙から向こう布の型紙を作る
続いては向こう布の型紙を作っていきましょう。袋布の型紙が基準となります。
半分に折った袋布の線をざっくりと写します。

続いて、下半分と、左側数ミリをカットします。

かなりざっくりですが、コレにて向こう布の型紙が完成です。
いい感じになるようにコインポケットの型紙を作る
続いては今ポケットの型紙作りです。シンプルな5角形のパーツなので、適当に作ればOKです。
袋布・向こう布・コインポケットそれぞれの型紙を重ねて、雰囲気をチェックしてみてください。

コレにて前ポケット関連の型紙が揃いました。
ステップ5:フライフロント関連の型紙作り
続いてはフライフロント関連の型紙を作っていきます。比較的縫うのが簡単なボタンフライで作る前提です。
持ち出しの型紙作り
持ち出しは直線的でシンプルなパーツなので、ざっくり適当に作って大丈夫だったりします。
幅4.5cmほどの短冊を作り、以下の写真のように前身頃と並べます。

続いては、前身頃上部の直線と持ち出しの上部が揃うようにカット。

コレにて持ち出しの型紙の完成です。
見返しの型紙作成
まずは、持ち出しと同じような4.5cmほどの短冊(角は曲線的にしておく)を作ります。上部は前身頃に合わせてカットするため、余裕を持っておきましょう。

以下の写真のように前身頃と重ねます。

前身頃の上部の直線に揃えてカットしましょう。

持ち出しと見返しができました。
ステップ6:バックポケットの型紙作り(省略)
バックポケットの型紙は好みにあわせて適当に作れば大丈夫です。ジーンズを作りたい皆様であれば好みのポケットの形があるはず。理想を存分に実現させてください。直線的なパーツですし、型紙の作り方は割愛します。
ステップ7:ベルト・ベルトループの型紙作り(省略)
ベルト部分とベルトループは細長い長方形なので、型紙を作るほどの話でもありません。私は型紙なしで作業しています。
型紙を作って理想のジーンズを手作りする
長々と書いてきましたが、これにてジーンズを手作りするための型紙の準備は完了。けっこう大変ですが、理想の手作りジーンズを作るための第一歩が終了しました。

続いての作業は型紙をベースに生地をカットしていく工程です。うまく裁断するためのコツなども紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、ココがわからない…といったことがあれば、気軽にコメントを残してください。できる範囲でお答えします。
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