洋裁好き・アメカジ好きであれば一度は挑戦したいと考えるのが本格的なジーンズ作りではないでしょうか。一方、家庭でジーンズを作るのはさまざまな困難が立ちはだかります。そんなハードルをひとつひとつ乗り越え、自作ジーンズを作るための方法を紹介しています。本ブログは生地の裁断についてです。
キレイにカットしておけば、後の工程がラクになる
ジーンズの作り方を10回に渡って解説している本シリーズ。今回は生地の裁断方法について紹介します。キレイにカットしておけば、後の工程がラクになるもの。紹介しているポイントを参考に、丁寧に作業を進めてください。
なお、その他の工程は以下。これらもぜひ参考にしてみてください。
- パターン・型紙を作る
- 生地の裁断
- キレイに縫うためのポイント
- 前ポケットの作り方
- ボタンフライの作り方
- 後ろ身頃の作り方
- 前身頃・後身頃の合体
- ウェスト・ベルトループ取り付け
- 裾上げ
- ボタン・リベットの取り付け
縦糸に沿って生地を半分に折りたたみ型紙をセット
裁断をする際、まずは縦糸に沿って生地を半分に折りたたみます。

生地を半分に折りたたむ理由は左右のパーツを一度にカットできるからです。
ということで、半分に折った生地の上に型紙をセットしましょう。セルヴィッジデニム生地なので、生地の耳を活かせるように身頃を配置します。

繰り返しになりますが、この状態で裁断すると、1度に左右両方の生地を切り出せ手間が省けます。生地や型紙がズレないように、文鎮的なモノを置いておきましょう。
なお、今回使ったようなセルヴィッジ付きのデニム生地はネット通販でも簡単に手に入ります。
現物を見て購入したいという方で、東京在住であれば、日暮里にある岩瀬商店がおすすめです。
ロータリーカッターで生地を裁断
型紙を並べたらいよいよ裁断。生地をカットしてしまうともう後戻りはできなくなるため、ちょっと緊張する瞬間だったりします。
裁断に使うおすすめの道具はロータリーカッターです。

ロータリーカッターとは、円形の刃が付いており、刃を転がしながら生地をカットしていく道具。裁ち鋏の扱いが特別上手な人でない限り、ロータリーカッターの方がキレイに生地をカットできます。
高いモノではないので、今後も洋裁を続けるのであれば持っておくことをおすすめします。当然ですが、作業机や床に傷がつかないよう、カッターマットは必須です。
縫い代について
今回の型紙は縫い代をとっていないので、型紙の外側をカットしています。それぞれのパーツの縫い代は以下を参考にしてください。
前身頃の縫い代
前身頃の縫い代はベルト取り付け部分で1cm、赤耳部分はお好み(私は1cmにしています)、ヒップと内腿部分は2cmです。

裾部分は2.5cmの縫い代を作ります。

後身頃の縫い代
後身頃の縫い代は赤耳部分はお好み。上部とヒップ部分は2cmです。

裾部分は前身頃同様に2.5cmの縫い代を作ります。
ヨークの縫い代
ヨークの縫い代は上部のベルト取り付け部分で1cm、それ以外は2cmです。

ヒップポケット・コインポケットの縫い代
ヒップポケットは上部が2.5cmの縫い代、それ以外は1cm。

コインポケットも同様にカットしてください。
持ち出し・見返しの縫い代
見返し・持ち出しの裁断はちょっとだけ注意が注意が必要。左右対称に切り出したいパーツなので以下の写真のように型紙を配置します。

カットして広げると以下のようになります。
縫い代は1cmです。

見返しも同様に型紙を配置。

1cmの縫い代をつけてカットします。

開くとこんな感じです。
袋布・向こう布の縫い代
袋布・向こう布の縫い代は1cmです。
以下は袋布。

以下が向こう布です。

ベルト・ベルトループの縫い代
ベルトは型紙を作らず、幅9cmの短冊状にカットすればOKです。長さは皆様の作った型紙によります。
折り畳んだ状態で、幅4.5cmで切り出しました。

ベルトループも同様に型紙無しでOK。3.5cmの短冊を作ってください。

長さは50cm程度あれば十分です。
生地の水通し・地直しをするかしないか
一般的に、洋服を作る際には生地をカットする前に、「水通し」と「地直し(生地の歪みを整える)」を行います。水通しや地直しをしないとせっかく作った作品に生地の縮みやねじれが生じ、形が崩れるからです。
一方、ジーンズに関しては、「縮ませてフィットさせる」や「ねじれは味」といった文化もあります。というワケで、今回は水通しなどは行わずに生地をカットしました(縮みを想定して大きめの型紙を作っています)。
ヴィンテージジーンズのようなワイルドさを狙いたい型は地直しをせずにカットするのがおすすめです。
一方、A.P.C.のジーンズのような都会的なシルエットを目指すのであれば、あるいは自分にぴったりのサイズのジーンズを作りたいのであれば、水通しや地直しを行い、生地をまっすぐにした上でカットしたほうが縫いやすいのかもしれません(試したことがないので憶測です)。どちらを選ぶかはお好みで。
キレイにカットするのがキレイな洋服作りの第一歩!
生地の裁断が終わると、いよいよ縫製へとすすめます。「ジーンズを作ってる!」と感じられる楽しい時間です。次回は、分厚いデニム生地をキレイに縫うためのポイントについて解説します。ぜひチェックしてみてください。
なお、ココがわからない…といったことがあれば、気軽にコメントを残してください。できる範囲でお答えします。

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