朝晩とめっきり寒くなってきた12月初旬の東京。そろそろお気に入りのダッフルコートを出したいのですが、そこには大きな問題が1つ。愛用しすぎて袖口が擦り切れてしまっているのです。気持ちよく着るために、羊毛フェルトとニードルで補修することにしました。そんな修理のビフォー・アフターややり方などをご紹介していきます。袖口が擦り切れたけれどもうちょっと着たいコートをお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。ちなみに道具は100均でも手に入ります。
擦り切れた袖口の補修|ビフォー・アフターをチェック
それではさっそく補修のビフォー・アフターをご紹介したいと思います。上記写真が補修前。袖口が見事に擦り切れてしまい、裏地のチェックが見えています。ここまでくると味というよりもちょっとボロい感じに…。
上記写真が補修あと。かなり目立たなくなっています。残念ながら完璧に同じ色ではなかったので、よく見るとわかりますが、擦り切れているよりもよいですよね。オジサンのコートの袖をガン見する人もいないでしょうし。また、着用している間にもっと馴染んでいくはずです。
ちなみにコートはグローバーオールのモノ。重いのが難点ですが、普遍的なデザインで長きにわたって愛用できますしおすすめです。10年以上愛用しているので完全に元は取っているはずですが、今回の補修で甦ったので、まだまだ活躍してもらいます。
擦り切れた袖口の補修方法
続いては羊毛フェルトでの補修方法について解説していきたいと思います。特に難しいことはないので、洋裁は苦手…なんて方でも大丈夫です。
トグルボタンの補修については下記をご覧ください。
必要な道具はコレ
必須の道具がフェルティングニードルと羊毛です。いずれもダイソーなどの100均で購入できます。ただし、100均で購入できる羊毛は色が限られているため、濃いめのネイビーをユザワヤにて手に入れました。アマゾンなどでも購入可能です。当然ですが、補修箇所を目立たせないために、ベースの色に近いモノを選ぶ必要があります。
あると便利な道具がフェルティング専用の台。ちょっと硬めのスポンジで出来ています。コレもダイソーなどの100均で購入可能。まあ、無くてもダンボールやスポンジなどで代用可能です。
なお、フェルティング用のニードルは先に微妙なスリットがあり、それが羊毛に引っかかるのがポイント。普通の縫い針では作業できないので、専用のモノを手に入れてください。
ステップ1:羊毛をちぎってほぐす
まずは羊毛のかたまりかた少量をちぎり、ほぐした上で、擦り切れを覆います。最初は適量がわかりずらいので「ちょっと少ないかな」くらいでよいかと。足りなければ追加できます。
ステップ2:羊毛をニードルでチクチク
続いては、専用のニードルでチクチクと。針で刺すことで、羊毛と袖口の生地が絡み合い、布状になっていきます。擦り切れた布に植毛をするようなイメージです。無心になってチクチクしてると、だんだんと擦り切れが目立たなくなってきました。
袖口のキワ部分がどうしても毛が浮きがちなので、針を斜めに挿しています。まあ、あんまり完璧を求めない方が幸せかと。
さらに範囲を広げてチクチク。無心で作業します。頭を空っぽにできるのも、フェルティングでコートを補修する楽しさです。今回は30分くらいチクチクしていました。
とりあえずチクチクするのはこれくらいで良いかなと思ったのが上記写真。まだ毛羽立ちが目立ちますが、完璧を求めるとキリがないので次の工程に進みます。
なお、ニードルは本数が多ければ多いほど作業が効率的に進みます。広い範囲を補修したい方は複数本のニードルをセットできるモノがおすすめです。
ステップ3:アイロンとハサミで整える
ある程度羊毛と擦り切れ部分がなじんだらアイロンで固定します。霧吹きで補修箇所を濡らし、あて布をしてアイロンがけ。10秒程度くらいでOKです。羊毛がギュッと縮んで生地になじみますし、毛羽立ちも目立たなくなります。
とはいえ、アイロンがけをしてもフワフワ浮く部分が出てくるはずなので、それらはハサミでカットしましょう。ベースの生地を切らないように慎重に。
ステップ4:着用したあと整える
数回着用しますと、毛がういてくることがあります。その際、余分なところはカットして、再度ニードルでチクチクとしてみてください。さらに毛が馴染んで良い感じになります。
擦り切れたコートは自分で補修できる
以上、擦り切れたコートの袖口を自分で修理した話でした。道具は100均でも手に入りますし、作業も簡単です。気に入ってるけど擦り切れたコートをお持ちの方はぜひトライしてみてください。あっという間に擦り切れ箇所が目立たなくなります。そして何より、自分で補修すると愛着がさらに増しますよ。