ジーンズなどの作成に欠かせない20番手の糸。糸調子がなかなか合わない…なんて悩んでいませんか?20番手などの太糸の糸調子を合わせるためには「下糸を強めに調整する」など、ちょっとしたコツがあります。そのコツについて余す所なく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
20番手で糸調子が揃っている状態
20番手の糸でデニムを縫ってみたのが以下。まずは上糸側です。

下糸側が以下。

わかりやすくするため、上糸(オレンジ色)と下糸(黄色)と色を分けていますが、どちらも同じ20番手の糸。表からみても、裏からみても、キレイな縫い目です。
このようなキレイな縫い目を実現するためのポイントについて解説していきます。
下糸はかなり強めに
一般的に下糸は糸(シャッペスパンの60番)を持って、軽く振るとボビンケースが落ちるくらいに設定します。皆様の職業用ミシンもそのくらいに調整しているのではないでしょうか。
一方、20番手などの太糸を使う場合、これでは下糸がちょっとゆるすぎです。この状態で上糸をいくら調整してもなかなか糸調子を合わせられません。
太糸を使う場合には、「糸調子調整用のネジを限界まで回して、180〜270度くらい戻す」に調整します。

この状態で、シャッペスパンの60番を入れて軽く振ってもボビンケースが落ちることはありません。

「キツすぎない…」と心配になるかもしれませんが、太糸にとってこれくらいちょうどよい糸調子です。
そもそも太糸を使って縫うのはデニムなど厚手の素材のはず。これくらいの強い糸調子でも布がツルといったことはありません。
下糸をキツめに設定したあとは、上糸を調整するのみ。当然ですが、上糸もかなりキツめに設定することになります。

この状態で縫ったのが以下(先ほど見せた写真と同じものですが)。


糸調子が揃っており、いい感じに縫えています。
以上が、太糸の糸調子を合わせるためのポイントです。一方、太糸を使うたびに下糸の調整をするのは、正直面倒なもの。私は普通地用と厚地用(太糸用)のボビンケースを分けており、それぞれいい感じに調整しています。

これだけで糸の交換の手間やハードルがグッと下がります。
針は厚物用を使う
太糸を使う場合、針も重要です。厚物用である16番のミシン針を利用しましょう。

針が合っていないと、それだけで糸調子がとりにくくなるモノです。
どうしても糸調子が合わないときは…
糸調子がどうしても合わないときは、ミシンのマニュアルにある「故障かなと思ったら」的なことを確認するのが重要です。
- 糸の掛け方が正しいか
- 針が曲がっていないか
- オイルは挿しているか
なんてことを今一度チェックしてみてください。「糸調子が合わないと思ったら、糸の掛け方を間違ってた…」というのはミシンあるあるです。
上記をチェックしてみても糸調子が合わない…という場合にはミシン屋さんに相談です。
厚物用針板があるとなおよし
「ただの板がこんな値段する…?」と購入を躊躇しがちな厚物用針板。なのですが、使ってみると、「こりゃあった方がいいわ」と思えるのが厚物用針板です。

右側の針穴がわずかに大きい方が厚物用。ちょっとした違いですが効果はテキメンで、デニムが折り重なったような状況でもスッと針が通り、しっかりと縫い進めます。
厚物用針板について詳しく知りたい方は下記もチェックしてみてください。
なかなか手をだしづらいアイテムですが、太糸で厚物を縫う機会が多い方にとってはおすすめのアイテムです。
ちょっとしたコツで太糸の糸調子は揃う
以上、職業用ミシンで太糸の糸調子を合わせるためのポイントでした。20番手などの太糸を使いたい場合、普通の糸と比べて下糸をキツめに設定するのが大前提。それだけで、糸調子が合わせられるものです。ぜひ試してみてください。
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